ソファや椅子の下張りの修理

ソファや椅子の修理のご依頼の中で、座面を修理して欲しいという方が非常に多くいらっしゃいます。長年ソファを使用していると、座面の方が先に生地が傷んだり、ウレタンのヘタリなどで痛みが目立ってきます。それに伴いまして、座り心地も悪くなってきます。座面のみが独立している場合は容易に修理や張替えが可能です。それではご紹介していきます。

CASE1

本革ソファの座面修理のご依頼です。長年のご使用で本革には風合いが出て、いい感じのソファになっていますが、座面にはところどころ擦り切れて痛みが見られます。今回は座面のみ張替えも行っていきます。



座ってみるとお尻が座面の中に深く沈み込み、座面クションの下の木フレームにお尻が当たり痛いです。


また、体が無理な体勢になり、非常に窮屈です。くつろぐことができるソファが全然リラックスできないソファになってしまってます。

立ち上がるのも一苦労です。


それでは修理をしていきましょう。

まずはソファを裏返しにして底布を剥がします。最初に目に入ってきたのはゴムベルトの破損です。また、経年劣化でゴムが伸びきっているのが確認できました。


座面を取り外した状態です。このように構造的に座面が取り外せたり、生地が他の部分、背中や肘などとつながっていないタイプは容易に部分的な張替えやクッション材の修理が可能です。



以前よりも強度のあるゴムベルトを隙間なく取り付けます。これで沈み込みも改善できます。


座面のウレタンは新品に交換しました。背中のクッションも少し型崩れをしていたので補修して張りを出しました。


Before



After



座面のみ張り替えをしましたが、比較的に色を合わせやすい黒の本革でしたので、違和感がなく仕上がりました。


Before



After



人が座った状態を横から見ると明らかに沈み込みが改善されています。体にも無理なく自然な状態でリラックスでき、立ち上がりも楽になりました。


CASE2


1人掛けパーソナルチェアの修理のご依頼です。見た目にも座面が凹んでいるのが解ります。座るとお尻が落ち込んでフレームに当たり、座り心地が悪いです。リクライナーのように動きのあるソファの修理には細心の注意が必要です。解体する際にはきちんと復元できるように順序良くばらしていきます。


座面だけ取り外すことができました。



生地とウレタンをはがした状態です。フレームに取り付けられたゴムが伸びきっているのがわかります。横から見ると良くわかります。ゴム本体の伸縮性が完全に失われています。



新しいゴムのベルトを取り付けました。従来のゴムよりも強度のあるゴムのベルトです。
また、本数も増やしました。更にゴムの間にウレタンを挟み込んで、クッション性を改良しました。


新しくウレタンと生地を張っていきます。

Before


After



部分張替えをする場合、なるべく同じような色の張地を探しますが、若干の色の違いが生じます。座面の沈み込みも改善されました。



CASE3


ダイニングチェア座面内部構造の修理のご依頼です。ヨーロッパの有名な某家具店のダイニングチェアですが、安価で組み立て式が特徴です。カバーリングタイプなのでカバーは洗濯をして、座面を修理すればまだまだ十分にご使用できます。




座面のクッション材がへタッているのが見た目にもわかりますね。座ると木のフレームの間にお尻が落ち込んで腿の後ろが木フレームに当たり痛いです。



カバーを取り外しました。座りが悪くなって座面が落ち込まないようにテープで留めていたり、詰め物を入れていたようです。お客様の努力が見受けられます。



カバーリングタイプの場合、カバーを剥がすと通常はカバーリング用の薄い生地やマジックテープが付く生地が張ってあります。しかしこの椅子にはソファや椅子の底面に張るものと同様の紙製の不織布が張ってありました。



ゴムベルトは経年劣化で反発力が失われており、反発力が無いので、座った時に座面が深く沈み込み、紙製の不織布も破れてしまったようです。


Before



After



今回座面の沈み込みを無くす方法として、ゴムベルトに変わりダイメトロールを木フレームに取り付けました。適度なクション性を有していて、沈み込みも改善しました。




新しいウレタンを取り付けていきます。最初にチップウレタンを、次にウレタンを張っていきます。座った時に柔らかく、芯のあるしっかりとした座り心地になります。


Before




After




見た目にも張りが戻ったのがわかります。椅子自体の構造はしっかりとしているので、これからも長くご使用いただけると思います。


ソファや椅子が座りにくくなる原因の一つに、クッション材であるゴムベルトの劣化であることをご説明させていただきました。経年劣化で反発力が失われることはしかたのないことではありますが、ソファや椅子を選ぶ時の参考材料になればよいです。


シノハラ製作所の張替え・修理について詳しくはこちらをご覧ください。


シノハラ製作所では、愛着のある家具を熟練した家具職人が心を込めて修復いたします。勿論、シノハラ製作所以外の製品でも修復いたしますので、お気軽にご連絡ください。

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